ぱんつのおかず

おれがバット構えたままボーゼンとしとったら、タマキのヤツ、口だけでニコッて笑いやがった。



「………っ!?」



あかん。


めっっっっっっっっっちゃムカツクなんやあの顔…!!



脳みそ沸騰したまま、迎えた2球目。


腕ほっそいくせに、向かってった球はやっぱり剛速球で。


フン!!て、1周回る勢いで、思いっきり振り切ったけど、空振りや。


空振りの見本か~いうくらいの空振りや。



…サギちゃうか、その見かけで。

ムカつきすぎて、息切れ起こしそうや。



「落ち着け、雪生」



そんなおれを見て、野球部のヤツが、後ろから声かけてくる。



「おっきいの狙いすぎや。もうちょっと確実に…」

「うっさいだまっとれ」



足幅大きくとって、構えなおす。


3球目。これがストライクコースやったら、最後や。


絶対、空振るわけにはいかん。


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