社内恋愛のススメ
蛍光灯がなかったら、ここも闇に囚われてしまうだろう。
終わりかけの仕事を片付ける為に、更にスピードを上げて仕事に励む長友くん。
そんな長友くんを横目に、私はデスク周りを整理する。
私に割り当てられた仕事が終わったのは、ほんの数分前。
定時を過ぎてからずっと真剣に取り組んでいたお陰で、日付が変わる前に何とか仕事の山を片付けることが出来た。
ホッとして、肩を揉みほぐす。
後はもう、やるべきことはない。
いよいよ、私にも休暇が訪れるのだ。
去りたくても気になるのは、長友くんの存在。
未だにデスクにかじり付いている、長友くんのこと。
バッグを手にしていたのに、つい手にしていたバッグをデスクの上に再び戻してしまう。
チラリと横を見てから、私は長友くんの言葉に応えた。
「私はさっき終わったんだけど、長友くん………まだかかるの?」
「んー、もうちょい………かな。」
「手伝おうか?」
親切心からそう言えば、憎たらしい言葉が返ってくる。
「自慢かよ?」
そんなつもり、全くなかったんだけど。
どこか、浮かれている様に見えたのだろうか。
「ち、違っ………」
「自分の分は終わったんだろ?だったら、とっとと帰れ。」
素直じゃない。
ほんと、素直じゃない。
純粋に、長友くんのことが心配だっただけなのにな。
「あー、そう!じゃあ、遠慮なく帰りまーす!!」
もう知らない。
どんなに遅くなっても、私の知ったことじやない。
午前様でもなんでも、してしまえばいい。
フンッと鼻息荒く、私は企画部のあるフロアを後にした。