社内恋愛のススメ
無関係だと言われたら、長友くんには返す言葉なんてない。
だって、その言葉の通り。
長友くんには、関係のないことだから。
私と長友くんは、同期で入社して。
ずっと、隣のデスクで仕事をしてきて。
でも、それだけ。
それだけだ。
ちょっと他の人よりも仲がいいだけの、同僚でしかないから。
そう思っていたのに、長友くんは予想もしない言葉を、上条さんにぶつけ返した。
「関係………ありますよ。」
「何を言って………。」
小バカにした様に、上条さんが笑う。
衝撃が訪れたのは、その直後。
「だって、俺、有沢のことが好きだから。好きな女のことに無関心でいられるほど、俺は醒めてません。」
長友くんは、当たり前の様にそう言って。
確かに、一瞬。
ほんの一瞬。
長友くんの言葉を聞いた瞬間、私の中を流れる時間は止まったんだ。
「は?」
今、何って言った?
誰が誰を好きって、言ったの?
長友くんが、誰のことを好きだって………。
私を?
私のことを好きだって、そう言ったの?
(有り得ないよ………、そんなの。)
そんな都合のいい話、ある訳ない。
あっちゃいけない。
そうは思っても、頭の中をリフレインするのは、長友くんの先ほどの言葉。
「だって、俺、有沢のことが好きだから。」
聞いたばかりの言葉が、グルグル回る。
ゆっくりゆっくり、時間をかけて巡る。
頭の中で、長友くんの声が、言葉が、私に愛を囁く。