社内恋愛のススメ



(大丈夫。今の私なら、大丈夫だ………。)


事実を事実として、きちんと受け止められる。


上条さんが、他の人と結婚するんだって。

そのことを、ちゃんと受け止めている。



私には、長友くんがいる。

長友くんが、隣にいてくれる。


これほど、心強いことはない。



長友くんは、いつだって私の隣にいてくれた。


私が、上条さんに恋をしていた時も。

私が、上条さんと付き合い始めた時も。


そして、別れた後もずっと。



長友くんが、私を支えてくれていたのだ。


折れてしまいかけていた私の心ごと、私を支えてくれていたから。



「有沢、大丈夫か?」

「長友くん?」

「みんな、好き勝手言いやがって………。」


まるで、自分のことみたいに考えてくれる長友くん。


もし自分なら、どう思うだろう。

もし自分なら、どう感じるだろう。


そこまで考えて、私を心配してくれているんだ。



大声では言えないことだから、再び耳元で呟く長友くん。


私と上条さんが、付き合っていたこと。

ただの上司と部下ではなかったことを知っているのは、私と上条さん。

それに、長友くんだけ。



だけど、長友くん。


長友くんは、私の彼氏。

今、私の傍にいるのは、長友くんだ。



上条さんは、元彼なんだよ。

分かってる?


私がこの結婚にショックを受けていたとしたら、長友くんはどう思うんだろう。



嫉妬するかな。

してくれるかな。


元彼である上条さんとのことに、そこまで心配してくれなくていいのに。



長友くんって、彼女には甘い。


甘くて、限りなく心配症な男だ。



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