社内恋愛のススメ
「有沢、俺のこと………からかってるだろ!」
「ぷっ………くくっ………バレた?」
からかっていたんじゃない。
半分、本気で聞いていた。
嘘じゃないよ。
長友くんの本音が知りたいと、そう思ったこと。
長友くんの気持ちが知りたいと思ったことは。
でも、こんな長友くんを見ることが出来ただけで、今日は十分だ。
同僚として隣にいた頃には、見ることの出来なかった長友くんの顔。
別の一面。
どこからどう見ても男なのに、可愛く見えてしまう。
長友くんの気持ち、ちょっとだけ分かったよ。
長友くんの気持ちが見て取れる、分かりやすい反応だったから。
(嫉妬してくれてるって、そう思っていい………よね。)
ね、長友くん。
長友くんの広い背中に、そう問いかける。
そうしたら、背中まで照れている様に丸まって。
そんな長友くんを、またちょっとだけ好きになってしまった。
厳かな雰囲気のまま、式は終わった。
永遠を誓う、神聖な場。
式が終わって、すぐに披露宴も始まる。
欠席することは、常識的にも許されない。
部下である私と長友くんは、そちらにも出席している。
お色直しは、2回。
純白のウエディングドレスから、華やかなピンクのドレスへ。
ピンクのドレスから、金色の刺繍が入った艶やかな色打ち掛けへ。
文香さんのお色直しの合間に催された、楽しい余興の数々。
「企画部の長友でーす!!」
「同じく、佐々木です!」
「木村です!」
「上条主任、文香さん、ご結婚おめでとうございまーす。2人のご結婚を祝って、3人で歌います!」
長友くんは張り切って、企画部の同期の仲間とカラオケをしていた。
そこまでは、普通だったのだけど。
普通で終わらないのが、長友 千尋だ。