社内恋愛のススメ



上条さんと文香さん。


あの2人を見ても、嫉妬しない。

悔しいと思わない。

嫌悪感すら、抱かない。


あんな終わり方で終わったのに、薄情かな?



でも、これでいい。

これでいいんだよね。


上条さんも、自分の為になる結婚が出来た。

確実にステップアップになる、文香さんとの未来を捨てずに済んだ。



文香さんも笑ってる。

あんなに幸せそうに、みんなの前で微笑んでいた。


私だって、そう。



幸せは、どこに転がっているか分からないもの。


新しい幸せを、すぐ傍で見つけた。

見つけることが出来たのだ。



何もかもが、上手くいっている。

丸く収まっている。


私の答えは間違っていなかった。

この選択は正しかったのだと、証明してくれているみたいに。



間違ってなんかいない。

これで良かったんだ。


何も間違ってなどいない。



「急がなきゃ!」


私には、待っていてくれる人がいる。


バカばっかりだけど、最高に愛おしい人。

ずっと私を見ていてくれた人。


長友くんがいる。

長友くんが、私のことを待っていてくれる。




今日の為に買った、水色のワンピース。

淡い水色が、私の全身を染め上げる。


膝丈のスカートが、動きに合わせてフワリと揺れた。





「あ、有沢………。」

「んー、長友くん、どうしたの?」

「えーっと、今日の有沢………すっごい可愛い………です。」

「な、な、な………何か狙ってる?何も出ないよ!」

「何だよ、正直に感想言っただけなのに。」


長友くんが可愛いと言ってくれた、ワンピース。

このワンピースは、きっとこれからも私のお気に入りになることだろう。



胸元には、チェーンに通したシルバーリング。


長友くんが、私の為に選んでくれた指輪。

世界で1つしかない、私と長友くんを繋ぐ輪。


長友くんが、初めてくれたプレゼント。



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