社内恋愛のススメ



しかも、あの2人は、大きなプロジェクトを担当していた。

メインはあの男、補佐的な役割を有沢さんが担っていたのだ。


壁を乗り越えて、結ばれた2人。


いや、僕からしてみれば、結ばれてしまったというべきか。



僕がどんなに横槍を入れても、愛した彼女の気持ちは揺らがなかった。

彼女の心が、僕の元へと戻ることはなかった。


離れてしまった心は、もう2度と同じ場所へは帰らない。



「好きです………。大好きです、上条さん。」


あんなに、僕のことを好きだと言っていたのに。

僕のことを愛していると、そう言ってくれていたはずなのに。


愛した彼女が、今は別の男に愛を囁く。

僕でない男に、熱を上げている。


それが虚しくて堪らなかった。



人の心って、何だろう。

人の気持ちって、何なんだろう。


こんなにも、簡単に変わってしまうものなのだろうか。



彼女と過ごしたあの日々は、一体、何だったのだろう。



仲が良さそうに、ピッタリと寄り添う2人。

コソコソと耳を寄せ合って、内緒話をしている2人。


僕が、どんな気持ちでそれを見ているか。


君には分かるかい?



(憎いよ………、君が憎いよ、実和。)


僕を惑わせて。

僕を虜にさせて。


今は、別の男の隣で笑う君。

僕ではない男に寄り添う君。



君のことが、心底憎いよ。

実和。


最高に憎らしくて、それでもやっぱり君を愛しているんだ。



愛している分だけ、君のことが憎くて堪らない。

好きだからこそ、他の誰かの隣で笑う君が許せない。


だから、他の男の隣で笑うなら。

他の男に抱かれるなら。


君が他の男のものになるくらいなら、君なんて壊れてしまえばいい。



僕が壊してあげる。

僕が、君を壊してあげるよ。


僕のものにならないなら、壊れてしまえ。

僕に壊されるなら、本望だろう。



< 456 / 464 >

この作品をシェア

pagetop