社内恋愛のススメ
さあ、始まりだよ。
全て壊してあげる。
僕が、君の全部を壊してあげるよ。
僕の前を通り過ぎようとしていた彼女を、スッと手を伸ばして捕まえる。
女なんて、非力なものだ。
男の力の前では、抵抗すらまともに出来ない。
簡単に、僕の腕の中に収まる彼女の体。
「………っ、いた………!」
視界を遮って、彼女の目を塞ぐ。
僕が誰なのか、分かっているかい?
すぐ分かるよ。
もうすぐだ。
「だ、誰か………、たすけ………っ。」
恐怖に歪む、実和の顔。
それでいい。
それでいいんだ。
僕は、その顔が見たかったんだから。
新郎専用の控え室に彼女を閉じ込めて、彼女を無理矢理抱いた。
別の女と結婚式を挙げた後、僕は本当に愛している女を抱いた。
妻になった文香とは、体さえ重ねていないのに。
妻ではない実和の体を、強引に奪った。
「………。」
「や………!」
突き飛ばして。
「し、失礼します!私、待ってる人が………。」
あの男の所へ行こうとする彼女の両手を、縛り上げて。
自由を奪う。
体の自由も心の自由も、全てをこの手で奪っていく。
バタバタと手足を動かして、君は抵抗しようとしているけれど。
女の君が、男である僕の力に敵うと思っているのか?
甘いよ、実和。
敵うはずがないだろう。
逃がしはしない。
全てを壊すその時まで、君を離すつもりなんてない。
この手を離したら、君はあの男の所へ行くんだろう?
長友 千尋の所へ行くんだろう?
僕が、それを許すと思っているのか。
「実和。やっと、君と2人きりになれた………。」
ずっと願っていたんだ。
もう1度、君と繋がりたいと。
ずっと待っていたんだ。
この時を。
「いや、………いやあぁぁ!!!」