クレイジーサドくん。
怖いならばこの腕を振り払えばいい。
怖いならば逃げ出してしまえばいい。
でも振り払わないのも逃げ出さないのもきっと彼を嫌いではないから。
「・・・・・ピチャッ・・・・ン・・・・」
『え?ひゃぁあ!』
首筋を這う彼の舌。
それが生暖かくてピチャッピチャッ音をたてる物だから気持ち悪くて仕方ない。
「・・・・ピチャッ・・・あぁ、好き…ピチャッ…お願い離れないで、俺から離れないで…側に居て…」
ーーーー・・・・・なんて悲しい声を出す人なんだろう。
こっちまで胸を締め付けられる用な、そんな声を出しながらすがる彼。
『待って…ッ…先輩…まっ…て』
舌を這っていたのも束の間。
今はガリっと音をたてながら歯をあててくる。
「お願い…大好き、大好き、パウリちゃんどこにも行かないで、離れるなら一緒に死んで?」
私の知らない先輩。
こんな駄々をこねる子供の様な彼。
それなのに口から出る言葉は恐ろしいものばかり。