ピンキーリング【短編】


「なな、

ハッピーバースデー!」



そう言って拓ちゃんが差し出したものは、まぁるいケーキだった。



いびつな文字で【HAPPY Birth Day なな】とかかれていた。






「ななさぁ、12月25日クリスマスが誕生日なんだよな?」



「…うん。」




「だから、これからあとは、ななのバースデー会な。」





嬉しいに言う拓ちゃんをみながら、ふと疑問に思ったことを聞いてみた。





「…ねぇ。」




「うん?」




「このケーキ、拓ちゃんが作ったの?」





あたしの質問に、拓ちゃんが照れながら答えた。






「おー。

このために、オレ、ケーキ屋でバイトしてた。」






…ーそうだった。


拓ちゃんは、2ヶ月前に急にバイトを始めた。





このためだったんだね。


< 21 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop