アウト オブ ザ ブルー
3月下旬になると、大学の卒業式や謝恩会や国交部の追い出し会などがあったが、
さすがにこのお腹で出ていくわけにもいかず、そういう行事は全て欠席した。
この機会を逃すとキーチに会うこともそうないだろうと思ったが、それならそれで別によかった。
会えても会えなくても、キーチが私の心のよりどころであることに変わりはない。
彼の子どもを産めば、永久に彼を忘れることもないだろう。
けれど、
自分はもう彼の世界に居座ることができないのだ。
このまま互いを知らなかった頃の関係に戻るのであれば、いっそキーチのことを忘れられればいいのにと思った。
…それが無理なことくらい、自分でもよくわかっていたけれど。
後からマサに持ってきてもらった成績表や卒業証書を穴の開くほど見てみたが、大学を卒業したという実感は全然わかなかった。
私の魂はまだキーチと出会った思い出のキャンパスをうろうろしているようだった。