§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
着いたところは、
いかにも、知る人ぞ知るといったような
重厚な造りの老舗旅館だった
「せんせー、部屋取れたよ
行こう」
荷物を持ち、桜井くんのあとをついていく
「直くん、直くん!」
私の後ろから桜井くんを呼ぶ声
「あ、叔母さん」
え?叔母さん?
「直くん、今ニュースで県道が崖崩れ起きたって言ってたの
しばらくは、通行止めになるらしいの」
「そうなんですかっ?!
参ったな…
叔母さん、通行止め解除されるまで
部屋、お借りしててもいいですか?」
「えぇ、うちは構わへんわよ、
彼女も、身体冷えてるみたいやし、温泉入ってあったまってね」
私に笑顔を向けて忙しそうに去っていった