帰っておいで
そんな私は、一年後にやってきた二度目の試験を何もせずに棒に振った。
そして私が受けなかったその試験に、去年は受けなかった同期の子がチャレンジし見事合格した。
ステップアップした彼女の立てるヒールの音は軽やかで、フロアを歩く姿は自信に満ちている。
そんな彼女を見かけるたびに、コソコソとしてしまう自分が情けない。
だけど、声をかけられるのが怖かったんだ。
美希も受けたらよかったのに。
美希なら今度は、絶対に合格だったよ。
来年は、受けなよね。
美希には、実力があるんだから。
気さくな笑顔で放たれる言葉総てが、嫌味にしか聞こえない。
一度目の試験に失敗し。
二度目の試験から逃げ出した私を、優越感に浸ってみている。
そんな風にしかとれない私は、卑屈で嫌な女だ。