Love the love.
「オッサンのくせに動きは軽やかだよね、ハルって・・・」
「ありがとね」
「褒めてねえよ!!」
「褒めただろ。軽やかだって」
「・・・」
口をあけたままでテルは固まった。あははは、バカだなこいつ。そして何て可愛いんだ。
「お邪魔~」
本人が呆気に取られている内に、俺はするりと部屋の中に入った。狭い玄関でテルの肩とぶつかる。
・・・あれ?こいつ、もしかして背が伸びた?振り返ってテルを見ると、外を見たままで悩んでいるみたいだった。
「軽やか・・・いや、でもだから凄いとかって別に言ってねえし・・・」
根が真面目だ。あはははは。
相変わらず暗くて散らかってる部屋の中に入って、俺はため息をついて見回した。
・・・どこから手をつけるべきか。
「オマエ、また女に振られたの」
テルが後ろから入ってきて、ベッドにゴロンと寝転びながら言う。俺はそうそう~と軽く返事をして、部屋に唯一ある窓のカーテンを開け放ち、窓を開けた。
「・・・眩しい・・・オレ、まだ寝てんだけど・・・」
ベッドの上から聞こえた苦情は無視した。今何時だと思ってんだ、こいつ。