Love the love.
俺はにっこりと微笑む。チャームポイントの垂れ目を細めて口角を上げると、女の子は喜んでくれる笑顔で。
ただし、残念なことに目の前の不機嫌な人間は男だ。
多くの女性が可愛く挙動不審になってくれる笑顔を見て、テルは更に機嫌を悪化させたようだった。吐き捨てるように言葉を出す。
「・・・ニヤニヤ笑うな。変態」
「お言葉だねえ、テル君ったら!いいから開けろよ、何なの、このチェーン」
俺は人差し指でチェーンをビーンと弾いた。
「やだ。帰れっつーの」
「冷たいなー、お前は!」
バタン。目の前でドアが閉まった。
・・・・・酷くない?この対応。全く、誰だよこいつを育てたやつは!躾しろよ、躾!
「テル~!!」
拳でドアをガンガン叩く。おーい、と言いながらしばらく叩き続けたら、チェーンが空くがちゃっという音が聞こえた。
そして急にドアが開いたと思ったら、分厚い冊子が頭目掛けて振り下ろされる。
「うおっ!?」
咄嗟に避けれた俺は格好いい。自画自賛も見逃して~なナイスステップだった。
態度の悪い甥はあからさまな舌打をして、俺を睨みつけている。