Love the love.
「パソコンフリーズしてんじゃねーのか、これ。折角書いた記事消えたらどうすんの?」
床に散らばった仕事の資料らしき雑誌やメモ帳をまとめて壁際に寄せる。
テルも俺と同じ職業に就いていた。つまり、プーの物書き。故に二人揃って貧乏。でもこんなに無愛想な男がどこから貰ってきてるんだろうと思うくらいには、仕事もちゃんととっているようだ。
家賃、払ってるみたいだし。
冷蔵庫を開ける。見事に何もない。真ん中にコーラのボトルが転がってるだけ。
何だよ、この氷河時代の中身。冷やす必要があるものがねーじゃないか。
「テルくーん」
「・・・何」
「ちゃんと食ってる~?」
「・・・ま、いちお~ね・・・」
俺は振り返ってベッドでトドみたいになっている甥を見た。
「お前もそろそろ彼女をちゃんと作って、一緒にすむとかすれば?」
折角可愛い顔してんのに。うまくやれば、色々世話を焼いてくれる押しかけ女房みたいなラブリーな彼女がすぐ出来そうなのに。でも俺のこの手の台詞にはいつでも決まってこいつは言葉を返すのだ。
「・・・うるせー。次々彼女をとっかえひっかえするような、オマエみたいな酷い男にはならねーの」
「そういう台詞は次々彼女が出来るようになってから言えよ」
「ほっとけ。引きこもりで彼女が出来るわけないデショ」