かけがえのない君のために
そしてその後、蓮都くんからの電話。


駅前の古びた雑居ビルの2階にいるからそこに来てほしい。


ただそれだけ告げて切られた電話。やっぱり蓮都くん、あの子と一緒にいるんだ。


お願い。復讐なんてしなくていいから、ずっとずっと私のそばにいて。




「未来、あたしたちも行こうか?」


「ううん。私、1人で大丈夫。行って来る」




蓮都くんに言われたビルに着いた。大きく息を吸って車のドアに手をかける。




「未来、椎名は未来が大好きだから絶対に未来の話、聞くと思う。だから・・・未来の気持ちを伝えるんだよ」




真由ちゃんに抱きしめられて少しだけ勇気が出た。



蓮都くんを止められるのは私しかいない。
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