大人の恋愛～背徳の行方～
その日のうちに、旅行会社へはキャンセルをし、結婚式だけは、
どうしてもやりたいと、真紀が引かなかったので、仕方なしに、
結婚式だけはやることにしたが・・・・

螢の頭の中は、梨桜の事で、一杯だった。

「真紀、悪阻が酷いようなら、暫く実家に帰っていると良いよ。
　俺も、来月からは、既に移動の準備に入るから、忙しくなるし
　あまり、一緒に居られないから・・・・」

「・・・うん。そうするわ。ありがとう螢。
　いつも私の事、考えてくれて・・・・」

「どういたしまして・・・・」

螢の顔は、完全に、営業用の顔だったが、真紀には、それが
気づかなかった・・・・

真紀は、基本的に、会社での螢の印象が強い為、螢は、誰よりも
面倒見がよくて、優しい・・・いつも真紀を労わってくれる・・・

だから真紀も、螢を大切にしようと頑張って来ている。

真紀は、本当の螢を知らなかった・・・・

螢のもう一つの顔を知っていたら、真紀は、螢を好きになれたんだろうか・・・

螢は、そんな事を思いながら、自分は、一生、本当の自分を、真紀の
前では、出すことはないと、その時思った。
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