大人の恋愛~背徳の行方~
各々の新生活
梨桜は、螢が旅立ってからも、意欲的に仕事に、趣味に励んだ。

梨桜と理は、この7月から、螢の後釜に海外事業部へ移動となり、日々
頑張っている。

梨桜は、今までとは違う仕事内容になり、営業ではなくて、主に
海外から来るメール等の、翻訳や、各国の支社との連絡等など、
事務的な仕事を任された。

この事務的な仕事も、結構大変で、特に反訳は、英語はもちろん、
あらゆる外国語が出てくるため、梨桜は、日々、電子辞書を片手に
頑張っている。

お陰で、同期からは、『梨桜の恋人は、仕事だ!』と、言われるように
なっており、時たま、環や俊介たちと飲むときは、

「梨桜・・・・男見つかったか!?」

と、俊介たちに聞かれ、

「えっ・・・・今は、無理。仕事が忙しい!!」

と、答えるのが定番になっていた。

梨桜が、螢から貰った指輪をしていた時は、彼氏がいるんだろうと
皆、思っていたが、梨桜が、指輪を外した時から、別れたんだと
皆は、勝手に解釈していた。

時たま、梨桜と理の中を知らない人間は、

「高丘さんって、水無瀬さんと付き合っているんですよね!?」

と、聞いてきたが、実は、理は、縁あって、梨桜の妹の香奈と
付き合っている。

香奈は、大学を卒業すると、上京してきて、高丘家の近くの
病院に勤務していた。

香奈は、病院の寮に住み、休みになると、幸子の所へ、遊びと
ご飯を食べに行っており、二人は、友人関係でもありながら
母娘の様でもあり、香奈は、高丘の娘の様だった。
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