大人の恋愛~背徳の行方~
その夜、梨桜は、明日の支度がある為、マンションへ帰った。

螢は、梨桜と一緒に居たかったが、今日の所は、グッと我慢して、
お休みのキスだけを交わして、別れ、その夜は、旅の疲れを取るように、
早めに休んだ。

翌朝、螢は、久しぶりにすっきりと目覚め、朝から梨桜に電話を
掛けた。

「おはよう・・・梨桜・・」

「おはよう。良く眠れた?」

「うん、久しぶりに熟睡したけど、でも梨桜がいないと
 ストレスが取れない・・・・」

「全く・・・仕方がない人ね!!」

「今日、何時に迎えに行こうか?」

そんな他愛のない会話が出来る事の喜びを、螢は、噛みしめていた。

今、考えても、この半年間、地獄だった・・・・

気の休まることがなく・・・・・常に、何かに追われていたようだった・・・

そんな事を考えていると、携帯が鳴った。

松平の父、忠義からだった・・・・

螢は、意を決して、電話に出た。

「はい、高丘です。」

「螢君か・・・松平です。今、日本に帰って来ているんだよね!?」

「はい、昨夜、帰ってきました。」

「そうか、今日は・・・・」

「はい、午後から結婚式に呼ばれておりますので、出席の予定ですが・・・」

「悪いが、その前に、会えないだろうか?」

「はい、10時頃で良ければ、伺いますが・・・・」

「悪いが、待っている・・・」

螢は、電話を切ると、義也に電話の件を伝えた。
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