大人の恋愛~背徳の行方~
理は、その日、珍しく螢も早く帰って来ており、家族揃って夕食を
食べていた。

その時、テーブルの上に置いておいた携帯が鳴り、

画面を見ると、『水無瀬 梨桜』・・・・・・。

隣に座っていた螢も、固まっていた。

理は、すかさず食べていた手を止めて、電話に出た。


『もしもし・・・理・・・』

俺は、わざと螢に聞こえるように

「おぉー、梨桜か!! 久しぶりだな・・・元気にしてたか?」

『うん、私も環も元気だよ!!明後日の卒業式に、二人とも
 出席するから、その時、会えるの楽しみにしてるよ』

「そうか・・・・ところで、梨桜、就職はどうした?
 確か、教授が紹介するって、言ってなかったか?」

『うん、向こうにいる時に、向こうの教授が、紹介してくれて・・・』

「えっ、じゃー、またアメリカに行くのか?」

『ううん、日本での就職だけど・・・・・・』

「どうした?梨桜?なんかあるのか?」

理の心配そうな声に、螢も幸子も、食べる手が止まっていた。

『うん。実はね、向こうの教授が紹介してくれた先が、ナショナル証券
 で・・・・・・でも、日本に帰って来たら、合併するって聞いて・・・』

「・・・・・・・マジで・・・・・梨桜、俺と一緒だな!」

『えっ、理も、ナショナル証券だったの?』

梨桜との久しぶりの電話に、嬉しかったが、梨桜と同じ職場・・・・

ってことは、螢も一緒・・・・ただ、配属はどうなるかわからない。

大きい会社だし、早々会う事もないだろうと、俺はその時、祈った。

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