大人の恋愛~背徳の行方~
そんな高丘家の状態を知らない梨桜は、明後日の卒業式に出席するために
一緒に上京した母と妹の香奈と三人で、部屋の引っ越しの後片付けを
していた。

どうにか部屋は、梨桜が住めるようになっていた。

電化も家具も、前、使用していた物が使えるので、
実家の倉庫に置いて置いたものを、今日送って貰った。

「母さん、香奈、ありがとう。明日もあるから、また明日にしようよ」

「そうね。明日にしましょ!卒業式が終われば、すぐに入社式でしょ?」

「うん、1週間無いからね・・・・。」

「お姉ちゃん、あんまり無理しないでね!?」

「香奈・・・・あなたこそ、大丈夫なの?なんで、学部、看護にしたの?」

梨桜は、妹の香奈に、そう聞いた。

香奈は、人とちょっと違う能力を持っていて、俗に言う、『見えるのだ』・・
だから、香奈が地元の大学で、看護師の道を選んだと聞き、ちょっと
心配していた。

「うん、私も、最近は、自分でコントロール、出来るようになっているし
 看護師になることで、少しでも人の役に立ちたいのよ・・・・」

「香奈・・・・あなたこそ無理しないでね。なんなら、お花の道に
 進んだ方が良いと思うんだけど・・・・・」

香奈は、霊感体質のせいか、お花を弄ることにより、自分の気を
コントロールしている。

花からエネルギーを貰っているのだ。

だから、香奈が母の店に立つと、香奈の具合によって、花が喜んび、
逆に香奈が落ち込んでいると、花も元気が無くなり、
そのくらいの状態なら、梨桜にもわかった。

「お花は、いつでも始められるけど、看護師の勉強は、若い時じゃ
 ないと、なかなか頭に入って行かないから、花は、最後の私の砦よ」

梨桜は、そう話す香奈を、たくましく感じた。
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