~宿命~
第13章 仲間割れ 前編
2時間以上歩き、本部へと帰ってきた。
明隆:「ん?なんや?オメェらは。退けっ!」
入墨(いれずみ)を肩にしている二人の巨体が門番のように俺の行く手を阻む。
巨体A:「真藤 明隆。お前が頭を冷やすまで通すなと言われとる。引き返せ。」
明隆:「うっせぇ。バカ。退けや。」
巨体B:「そんな言い方をしてると怪我をするぞ。」
奴はそう言って俺の肩を突き飛ばした。
力が桁外れで後ろのブロック塀に背中からぶち当たった。
明隆:「へっ。なかなかやるじゃねぇか。肉団子。何処の誰だか知らねぇが、そのぶっとい前足へし折ってやるっ!」

自分でも分かっていた。
俺が求めている敵はコイツらじゃない事ぐらい。

だが、悲しみと絶望感が極限まで達した時、人は突発的な行動にでてしまう。
そして最後には後悔する奴が多い。

ちゃんと分かっていた。
ただ俺は新石に事実を話してもらい、これからをどうするか見極めたかっただけなのだ。
そんな冷静な俺に頭を冷やせといい、その上、何者かも分からないような連中に護衛までさせている。
新石のやり方が許せなかった。
だから俺は本部内で護衛している奴等を片っ端から潰していく事にした。
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