約束~幸せのクローバー
「はあぁー、どうしようもねぇな……」
槇野先生の声が聞こえて後ろからギュッと抱きしめられた。
えっ!?
驚いて涙が止まった。
ほのかに柑橘系の香りがした。
「少しは反省したか?」
「昨日は無視して勝手に帰ってごめんなさい」
「分かったなら、もういい」
私の事、許してくれたみたい。
ほっとしたら、また涙がじわぁっと出てきて―……。
「ふぇ……ヒィック―…」
クルッと向きを変えられ先生と向き合う形になる。
先生は私の頬を両手で軽く触れてそのまま指で涙の跡を優しく拭った。
「もう泣くな―…」
先生は私の頭を軽く撫でた後また作業に戻った。