偽りの婚約者
千夏に話しがあるとマンションに呼び出した。
迷いながら千夏の姉の事を訊き始めたが。
だんだんに表情を曇らせていく千夏。
復讐に巻き込みたくない。
千夏を傷つけたくない。
そんな想いが強くなっていく……これ以上続けられないと訊くことをやめた。
俺は復讐をやめる決心をした。
そして千夏に話そうと連絡を取ろうとしたが繋がらなくて。
何で出ないんだ?
気になって彼女の家まで行ったがまだ帰ってはいなかった。
彼女の家の前で車を止めて何度めかの電話でやっと繋がり。
《……は……い?》
いつもと違うことに気付いた。
酔ってるんだな。
《何度も連絡したんだけど》
なかなか繋がらなくて心配までしたってのに……。
俺はかなりイラついていたが、怒りを抑えて冷静さをよそおった。
《ごめんな……さ……。気がつかなかったん……れす……》