偽りの婚約者


《ところで今、どこにいる?》



《……えっ、あー……えと、家にいますよ。
決まってるじゃないですかぁ?》



嘘つけ……今、俺はお前の家の前にいるんだぞ。
千夏はバレてるとも知らずに家にいると言った。




《へー、家か。じゃあ、俺が今どこにいるか分かるか?》



《……どこってぇ……マンションじゃないんれすか?》



《お前の家の前だ》



《あのぉ……東條さん?
本当にあたしの家に?》



《まだ帰って来てないってお前のお母さんが言ってた筈だけど?おかしいよな?一体どういう事かなぁ?
詳しく教えてくれる?》


そろそろ、どこにいるか聞き出すか……。




《電話は繋がらないしメールを入れておいても連絡して来ないから心配で家まで行ったんだけどな。
嘘をつかれるとは……。
で、お前は今どこにいるんだ?》



《……》


無言かよ。


《おい!何で黙るんだよ?
人に心配させて、だんまりか?
お前ふざけんなよ》


暫く無言だった彼女が発した言葉は……。



《さて問題ですぅ……
私はどこにいるか分かりますかぁ?》


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