偽りの婚約者



頬や髪に触れても東條さんは身動き1つしなかった。


そして彼が眠っているのをいい事にそっと唇に自分の唇を軽く押し当て。


「東條さん……好きだよ」そう小さく囁くと。


東條さんはパチッと目を開けた。



「えっ……ええ―――!?お、起きてたんですか?」


驚いて後ろに下がりかけた私の腕を掴み引っ張るから勢いあまって二人一緒にソファに沈み込んだ。


「わっ!危ないじゃないですか。
それにさっきは寝たフリなんてズルいで……」


途端に唇が塞がれ最後まで言えなかった。



「俺もお前が好きだ」


引き寄せられた腕の中は暖かくて安心できた。


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