偽りの婚約者
「騙してるなんて……そんな事ないです」
「安西さんは、人がよすぎる」
「私は東條さんを信じます。
仕事は終わったんですよね?帰ります」
「まだ話しは終わってない」
帰ろうと動きかけた足を止めた。
「主任、心配してくれてありがとうございます。
でも東條さんと私の事には立ち入らないで下さい」
「いや、立ち入らせてもらう。東條に泣かされるのを黙って見てはいられないんだ」
「主任の思いすごしです。心配されるような事はないんです」
どうして紗季さんも主任も東條さんの事を信じないの……。
「……俺じゃ駄目か? 」
「何が……ですか?」