偽りの婚約者
やっと繋がった電話に出た東條さんにお姉ちゃんに来た手紙の事を話した。
《千夏はその手紙を見たのか?》
《ううん、手紙はお姉ちゃんが持ち帰ったから、私はお母さんから話しを聞いたんです》
《そうか。千夏はもう直ぐ家に着くんだろう?
俺もこれから千夏ん家に向かう。後でな》
《待って下さいっ》
もしかしたら東條さんと別れる事になってしまうんじゃないかって不安になり電話を切ろうとした東條さんを止めた。
《どうした?》
《東條さん、私達は……今まで通りにいられると思いますか?
私は離れたくないです。東條さんとずっと一緒にいたいんです》
《……俺も同じだ。千夏とは離れたくない。
心配するな。ご両親には分かって貰えるように話す》