偽りの婚約者


主任は幹事でさっきから忙しそうに動いている。


何を飲もうかな……。
いろいろな種類があって迷う。
主任が来る前に決めないと―――――。




「飲み会なんて久しぶりよね」



「そうですね。暫くやってなかったんじゃないですか?」



「安西さん、烏龍茶頼んでおいたよ」


「すみません」

主任は、ちょっと話しをして、また行ってしまった。



二次会はカラオケに行きたいと誰かが言い出したけど。
カラオケは好きな方だけど東條さんが迎えに来てくれるって言ったから今日は帰る事にして東條さんの携帯にかけた。



『東條さん?今、終わりました』


『分かった。これから迎えに行く』


居酒屋の前で待つように言われて電話は切れた。



「千夏はカラオケに行かないの?」




「はい、この後、東條さんが迎えに来てくれる事になっているんです」


「……そう」



「紗季さんは行くんですか?」

「てっきり、千夏は行くんだと思ってカラオケに行くって主任に言っちゃったし歌いまくって来るよ」


「楽しんで来て下さいね」


カラオケ組はまとまってお店を出て行った。
私は東條さんに言われた通りに居酒屋の入口付近に邪魔にならないように立った。



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