偽りの婚約者
「紗季さん、どうしたんですか?」
「千夏ごめんね」
「紗季さんに謝ってもらうようなこと何かありましたっけ?」
どうして急に謝られたのか意味が分からなくて戸惑った。
「私この間、東條君に会いに行ったの。玲奈と付き合う前から東條君の事がずっと好きだったの」
紗季さんが東條さんを……好き?
「紗季さん……良く分からないんですけど?」
「同じ課になって最初に声をかけたのは私なのよ。
でも彼が好きになったのは玲奈だった。
仕方ない、そう思って諦めた。
でも二人は別れてしまった。あの時は玲奈だから諦めたのに千夏とお見合いするなんて……」