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 「明日と階段を上がる、という図式が目に見える」
「それでも僕らは階段を昇らなければならない」
「なぜ?」
「上からの景色を見たいから」
 恭一は梨花の膝の上に手のひらを乗せた。
「会話の流れとしてはいいわね」
 珍しく恭一の目が見開かれた。「気づいていたのか?」
「実を言うと、その本は一ヶ月前に読破したの。現実を見せといて気づいたら別世界誘う構成は素晴らしいわね」
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