HELP
 鈴音は文庫本を確認し、辺りを見回す。新宿駅構内で立ち止まっているのは二人だけであり、周囲は何事もなかったかのように二人を避けて歩みを進めている。それが人間の現実であり、本質。
 見てみぬふり。
「そうですよね?」
 尚も恭一は食い下がる。
 文庫本のタイトルは、『回廊』記憶をなくした男が記憶を取り戻す物語。端的にいえば。そこにはもっと深い真実が隠されている。だが、ラストまで読めてはいない。
< 147 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop