不機嫌honey
希王は俺のことを尊重してくれてる。



好きなことやれてんのも希王のおかげ。



「やっぱり楽器最高~」

「悪いな、俺だけ…」

「別にいいよ。父さんの仕事も嫌いじゃないし」



いい弟を持ったな。



感謝しなければ…。



「兄弟に見えないっスね…」

「よく言われる」

「俺もギター触りたい…」

「なら車に2本入ってるから持って来るの手伝えよ」



何も言わずについてきたリムとふたりきり。



相当ショックだったのか、元気はない。



「悪いけど、シュリはやれねぇから」

「ずるいっス。俺を呼んだのだって、牽制するためっスよね?」

「まぁな」

「結構マジだったのになぁ~…。彼氏いるっての、ウソだと思ってたし」

「残念ながら」

「諦めますよ。見込みはないって、薄々気付いてましたし。ちゃんと諦めるんで、シュリちゃん泣かせないでくださいよ?」

「それはどうかな?アイツ、泣き虫だしな」

「生レオカッコよすぎるぅ~…」



いいヤツなんだな、きっと。



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