・*不器用な2人*・(2)
「2年の井方って有名なんだよ。
バスケ部の中で1人だけ待遇が違うって。
やっぱり顔が綺麗だから同性の先輩たちにも可愛がってもらえてるとかそういう感じなの?」
めぐちゃんの指摘に井方君は慌てたように首を横へ振った。
「特別な待遇なんて一切受けてないです。
俺もみんなと同じように参加してますよ、部活」
「君、あの試合中1人だけ体育館にいなかったじゃん。
外へ出ていた時間分、今日の放課後居残りとかするの?」
井方君が、緩んでいた蛇口を手探りで閉めた。
「あの……顔とかお気に入りとか、そういうのは一切関係ないんです。
俺がチェックされてないのは、多分先輩たちの目に入っていないとかそういう理由のはずだから」
本当に彼に落ち度がないということは、一生懸命な話し方や仕草で伝わってくる。
そして、彼に何か後ろめたさがあるということも、表情からはどうしても伝わってきてしまう。
バスケ部の中で1人だけ待遇が違うって。
やっぱり顔が綺麗だから同性の先輩たちにも可愛がってもらえてるとかそういう感じなの?」
めぐちゃんの指摘に井方君は慌てたように首を横へ振った。
「特別な待遇なんて一切受けてないです。
俺もみんなと同じように参加してますよ、部活」
「君、あの試合中1人だけ体育館にいなかったじゃん。
外へ出ていた時間分、今日の放課後居残りとかするの?」
井方君が、緩んでいた蛇口を手探りで閉めた。
「あの……顔とかお気に入りとか、そういうのは一切関係ないんです。
俺がチェックされてないのは、多分先輩たちの目に入っていないとかそういう理由のはずだから」
本当に彼に落ち度がないということは、一生懸命な話し方や仕草で伝わってくる。
そして、彼に何か後ろめたさがあるということも、表情からはどうしても伝わってきてしまう。