・*不器用な2人*・(2)
「別に俺ら、責めてるわけじゃないんだけど……」
さすがに悪いと思ったのかめぐちゃんがそう言い掛けた時だった。
帰るところだったのか、鞄をリュックのように背負った石田君が通りがかった。
「サツキは喋るのが苦手なんだから、あんまり迫るなよ」
石田君は此方へと近寄って来てめぐちゃんの肩を軽く掴むと、井方君から距離を置かせた。
「そうなの?ごめん」
めぐちゃんが慌てたように声をかけると、井方君も慌てたように頷いた。
「年上の人とか初対面の人とうまく喋れないんだったよね」
石田君に聞かれた井方君は首を縦に振って、恥ずかしそうに笑う。
「すみません……、口下手なので、スラスラと言葉が出て来ないんです」
「謝るようなことじゃないよ」
石田君がぶっきらぼうに言うと、井方君はまた小声で「すみません」と言った。
「サツキ、今日の夕飯何がいい」
石田君に聞かれた井方君はしばらく間を置いてから「コロッケ」と答える。
「分かった」
石田君もまた短く言うと、ズボンのポケットに手を突っ込んで校門を抜けて行った。
さすがに悪いと思ったのかめぐちゃんがそう言い掛けた時だった。
帰るところだったのか、鞄をリュックのように背負った石田君が通りがかった。
「サツキは喋るのが苦手なんだから、あんまり迫るなよ」
石田君は此方へと近寄って来てめぐちゃんの肩を軽く掴むと、井方君から距離を置かせた。
「そうなの?ごめん」
めぐちゃんが慌てたように声をかけると、井方君も慌てたように頷いた。
「年上の人とか初対面の人とうまく喋れないんだったよね」
石田君に聞かれた井方君は首を縦に振って、恥ずかしそうに笑う。
「すみません……、口下手なので、スラスラと言葉が出て来ないんです」
「謝るようなことじゃないよ」
石田君がぶっきらぼうに言うと、井方君はまた小声で「すみません」と言った。
「サツキ、今日の夕飯何がいい」
石田君に聞かれた井方君はしばらく間を置いてから「コロッケ」と答える。
「分かった」
石田君もまた短く言うと、ズボンのポケットに手を突っ込んで校門を抜けて行った。