お嬢様になりました。《番外編》
ど、ど、どうしたら……!?


ちょっと前の私なら確実に突き飛ばしてた。


でも今は……出来ないよ……。


振りほどく事も、身を委ねる事もできなかった。



「カ、カルロ……?」

「最近ずっと落ち込んでるよね? 今日も時々上の空だった……」



気付いてたんだ……。


気付いてて触れないでいてくれたんだね。



「この部屋は僕が疲れた時、落ち込んだ時、リラックスしたい時の為に用意してる部屋なんだ」

「え? 今住んでるマンションとは別に借りてるの?」

「うん、そうだよ。 美味しい料理を食べて、この部屋でゆっくり過ごすんだ。 葵に早く元気になってもらいたくて、連れてきた。 ここに誰かを招待するのは初めてだよ」



そんな想いでここに連れて来てくれたのに、私ってば勝手に勘違いして恥ずかしい。



「カルロ、ごめんね……」

「どうして謝るの?」

「ううん、気にしないで……ありがとう」



カルロは私から身体を離すと、カードキーを差し込みドアを開けた。





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