お嬢様になりました。《番外編》
仕事の事でもこんなに悩む事はない。


恋愛よりも仕事の方が楽だ。


結果が全て明確に現れる。


だが恋愛はそうはいかない。


特に好きになった女に対しては、マニュアルもくそもない。



「今日は葵と連絡取った?」

「……取ってねぇよ」



今日どころかここ最近は全く取ってない。


電話だとまた喧嘩になりそうで、メールだと上手く気持ちが伝わらない気がして、結局連絡できないまま今に至っている。



「じゃあいい事教えてあげるよ。 葵は今日カルロとSホテルのレストランで食事の約束をしてるよ。 今頃二人で夜景の見えるレストランで食事を楽しんでる頃じゃないかな」



は?


聞いてねぇし……。



「食事くらいでガタガタ言う様な男に見えんのかよ?」

「余裕だね。 俺は気が気じゃないよ。 カルロはそのホテルの一室を第二の部屋として利用してる。 葵のことだから、誘われても疑う事無くついて……」

「おまっ、そういう事は早く言えよな!!」



東條を部屋に残したまま、俺は慌てて部屋を飛び出した。


考えるよりも先に身体が動いていた。





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