お嬢様になりました。《番外編》
「おい、アンジェリカが犬だって事、東條の奴は知ってたのか?」

「レイはアンジェリカに会った事もあるよ」



玲は知ってたの!?


何で教えてくれなかったのよ……。


私も知ってるもんだと思ってたのかな?


隆輝は青筋立ててたと思えば、急に疲れたような顔になり小さく口を開いた。



「……帰る」



ボソッと呟き背を向けた隆輝の腕を咄嗟に掴んだ。



「ひ、一人だけ帰る気!?」



ここに私だけ置いて帰るなんてあんまりでしょ!?


隆輝は私の手を掴み引き寄せた。


倒れるように隆輝の胸に頬を預け、その瞬間凄くホッとした。



「葵は連れて帰る」

「葵も? んー……分かったよ。 でも喧嘩はダメだよ?」

「うるせー」

「葵、また来てね」

「う、うん」



返事をしたと同時に腰に腕を回された。


ち、近いっ!


ドギマギしながらも、久しぶりに感じる隆輝の温もりが心地よかった。





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