《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
 どうにかかいチョンを丸め込むと、いよいよリハーサルが始まった。編成の少ないクロレトが先である。



  ドコタコドコタコドコタコドコタコドコタコ……


  ジャーン ズクズクズクジャッ ジャッ ジャーン



「おおぉぉう、なかなかツーバスのアレンジもいいなぁぁ」


「このグルーヴ感、燃えて来るわねっ! 俄然力が入るわ?」


「はぁっ、はぁっ。俺は疲れるんだ」


 曲の間中ずっと走り続けるような足の動きになるツーバスは、かなりドラマーの体力を奪っていく。久し振りの斬汰には余計に堪コタえているようだ。


「よぉぉし、次はぁ『フォビドゥン』行ってみよぉぉう!」


「ビートは倍に刻めばいいわよねっ!」


 ノリノリの覇龍達に比べ、斬汰は息も絶え絶えに弱音を吐いている。


「もうやらなくていいんだ! スタミナ切れなんだ」



  ジャーァァァン


  ブブンブン ブブンブブブ



「お前らがあれだ。鬼だ! はぁっ、はぁっ」


 覇龍と咲邪がうむを言わさずイントロを弾ヒき始める。斬汰は仕方なくバスドラを踏みしめるのだった。


──────


 次はいよいよ『カシカシ』のリハーサルだ。ステージが暗転すると、ユラリとセンターマイクを手に取ったヴォーカルが曲名を吐き捨てる。


「肉を喰らぁう」



  ジャッ ジャッ!


  タタンッドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ



「お前の眼球をぅ、いとおしいいとおしいと舐めるぅ」



  ズクジャァァァン ズクズクズクズク……



「お前の欲求はぁ、いかがわしい穢らわしいエナメルぅ」



  ズクジャァァァン ズクズクズクズク……



 表情が一転し、舌をダランと垂らしながら、叫びともわめきともつかない声を吐き続けるボーカル。咲邪達は眉をしかめて曲を聴いていた。


「随分とぉぉ、趣味の悪い歌詞だなぁぁ」


「まぁ、極々有りがちな世界観だわね」


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