スイート・プロポーズ
夏目がこちらに歩み寄る。
何やら、雰囲気に危ういものを感じるのは、気のせいではない、はず。
「急かすつもりはないが、他の男に取られる気も―――ない」
「・・・・・・っ」
間近に迫る夏目の顔は、迫力がある。
円花は背後が既に壁だということに、今気づいた。
(もしかして、不二さんのこと? でも・・・・・・)
円花は考え込み、少し理不尽さを感じてしまった。
「私と部長は、別につき合ってるわけじゃないんです。誰と会っていても、いいじゃないですか」
正論を言ったと、思う。
チラリと夏目を見上げ、円花は驚愕した。
傷ついたような顔をするとは思っていなかったが、まさか笑うとは思っていなかったから。
「な、なんですか?」