スイート・プロポーズ

こういうプレゼントは、遠慮したい。


(というか、プレゼントじゃないわよね?)


相手によっては反感を買う贈り物だ。


「よろしく頼む」

「・・・・・・はい」


倉本のプレゼントが、今は遥かにマシなものに思えてきた。





―――・・・・・・。

定時過ぎ、社員がぞろぞろと帰社していく中、円花は未だ、仕事の手を休めていなかった。

何人か残業で残る社員もいたが、時計の針が進むごとに、皆帰っていく。


「・・・・・・ふぅ」


何とか終わり、円花は大きく伸びをする。


(後は部長に見てもらって・・・・・・)


立ち上がった瞬間、思い出した。

今日は仕事を終わらせたから帰ろう、ではないのだ。


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