スイート・プロポーズ
ーーーー……。


ピピピッ。
ピピピッ。


昨日セットしておいた目覚ましい時計が、騒がしくなり始める。
それと同時に、携帯のアラームも鳴り出す。


「……10時」


今日は日曜日。無理して起きる必要はなく、かといって仕事がないわけじゃない。後回しにした掃除、ためた洗濯物。休日くらいは凝った料理を作ろうかなとも思うし。


「……はぁ」


しっかり寝たはずなのに、疲れが取れていないような気がする。
原因はわかってる。考えすぎだ。


「結局、聞けないままだし」


波奈から聞いた、夏目の海外転勤にまつわる噂。本人に聞くのが1番手っ取り早く、また確実だ。
そう思っても、いざ本人を目の前にすると聞けないものだ。


「本当だったらどうするんのよ……」


まだ、心の準備はできていない。
この不安が、ただの取り越し苦労で終われば笑い話で済む。
済むのだが、海外転勤。噂の当人は夏目。
ありえなくない。


「とりあえず、何か食べよう」


お腹が満たされれば、心にも余裕が出てくるはず。

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