スイート・プロポーズ

“告白”された。

この事実は、静寂なふたりの関係に穏やかな波紋を広げる―――かもしれない。





―――・・・・・・。

「あ〜、疲れた」


タクシーの中で、円花は素直な感想を口にする。

つい先程、美容雑誌の編集と会ってきたところだ。

季節は春だが、夏に向けて記事の打ち合わせ―――を兼ねてのランチだった。


「あの編集の高柳さん、でしたよね? すごく良い人でしたね」


円花は何度か仕事を一緒したが、波奈は今日が初対面。


「ただの仕事馬鹿よ。明後日は打ち合わせ・・・・・・」


手帳を開き、少しだけ動きが鈍る。

明後日の打ち合わせは、夏目に同行するのだ。

CMに起用するモデルと、夕食を交えて会う。


(公私混同はしない、って言っても・・・・・・)


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