小さな光 ~月と太陽~
名前を呼んだ人はあたしたちに近づき、ある1点を見ている。


あたしと藤の繋がれた手。



「藤…どういう事」


「朱音さん、座ったらどうですか?」



そう、あたしの前に現れたのは『朱音さん』だった。


「朱音さん、昨日のお話の事ですけど…」


朱音さんが向かい側に座ったら藤が話始めた。

話始めるときにあたしの手を1回強く握った。



「俺は朱音さんとやり直す気は全くありません。

今は梓がいればそれでいいです」


「どうして?どうしてこの子なの?」


「アズは朱音さんと全く違います。

アズは俺の顔を好きになってくれ訳では無く、俺の全てを好きになってくれた。

それにアズは俺の為に頑張ってくれる、俺はそんな所が好きなんです」


「それだったら私も変わらないはずよ。藤を顔で好きになったわけでは無い。

私は藤の全てが好き、この気持ちは誰にも負けない」



朱音さん…

それだったらあたしも藤を想う気持ちは負けない自信があるよ。












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