小さな光 ~月と太陽~
あたし達はこの後―――…



「どーしてこんなに簡単な問題なのに全然、やってねぇの?」


「えーっと、考え事を…」


「ごちゃごちゃ言うな」


「だ、だってぇー」


「口を動かしている暇があったらさっさと勉強しろっ!」



部屋に戻ってきたあたしたち。


あたしの机の上に出ていた真っ白なノートを見て、如月さんの機嫌が悪くなったのだ。



「彼女がバカだと恥ずかしい」


「んなっ…バカって」


「何もやってないやつに言われたくない」



うぅ…


ノートが真っ白なのは、ずっと如月さんの事を考えていたからだもん。



「アズ、手が休んでいる」



休んでないもん。

考え事をしていただけ。



「俺と居てアズの成績が下がったら、

お前の両親に合わす顔がねぇよ。



それにお前の彼氏が俺だって分かったら…」



如月さん…


意地悪を言うけど、たった数時間でそこまで考えてくれていただなんて。


あたしは自分から如月さんにキスをした。




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