6年間の夢

お名前

「おい、清羅。清羅!」
うん?何?
「暇だー。お前、どうせ話聞いてないだろ?話しようぜ」
いやいや、普通に授業聞いてるんだけど。
「嘘つけよ。お前また妄想してたろ。昨日みたアニメのイメージが伝わってきた。」
適わないな。しょうちゃんには


自分の頭はおかしいのかと疑うことは、正直ないことはない。
自分は痛いことをしてると言われても、否定は出来ない。
ただ、私には見えるし聞こえるし感じるのだ。

「清羅?当てられてるよ?」

「えっ!?あ・・・ああ、分かりません。」

隣の女の子に言われて初めて先生に当てられたことを気づくのだって、稀ではない。

「じゃあその隣、浅井」

この狭い教室で、何度も順番が回ってくるのは分かっているけど。
頭の中を気にせずにはいられないのだ。

「おいお前、あれくらい分かるだろー。」
うるさい!しょうちゃんのせいだし!
「ご、ごめん」
・・・しょうちゃん。可愛い。
「うるせ!可愛いとかやめろ!」

これは 幻聴 だと言われれば、そうまとめることもできる。
ただ私は、この幻聴と四年間を共にし、毎日のように会話をしているのだ。
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