彼女志願!2nd

あくまでも強い刺激じゃない。

触れるか触れないかの優しい手つきだ。

そのいたずらな指先から、私を起こそうとしているのが、なんとなく伝わってきた。


ああ、穂積さん、帰ってきたんだ。


くすぐったい……。

だけど、眠い……。

もう少し、寝ていたい……かも。



うとうとしながら、慣れ親しんだ穂積さんの手のひらの感触に、うっとりしていると、

「そろそろ起きないといたずらしちゃいますよ」

と、穂積さんが笑いながら、私の上半身を抱き上げた。


それは、まるでマリア様がイエス様をその腕に抱くみたいに、とても優しい手で……。


私を起こそうとしながらも、寝かしつけようとしているような、そんな雰囲気がして、なんだか甘えた気分になってしまう。



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