彼女志願!2nd

「もう少し……」

「このままで? 甘えん坊ですね、萌は」



穂積さんはクスクスと笑いながら、私の額に散らばる髪を指先でかきわける。


彼の指先から、かすかに煙草の匂いがした。

だけどそれは穂積さんが吸っていたものとは違う匂いだった。



「穂積さん、煙草……?」



目を開けると、私をなんだか眩しそうに見つめる穂積さんと視線がぶつかる。



「ああ……匂いますか? すみません」

「ううん。違う匂いだから」

「周囲が夜通し吸っているものですから、つい一緒になって吸ってしまいました」



穂積さんは苦笑し、そして私の体をそっとベッドに横たえる。



「シャワーを浴びてきますね」

「じゃあ、朝ご飯を……」



上半身を起こそうとすると、穂積さんはいたずらっ子みたいに笑って、おでこに唇を寄せささやいた。



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