彼女志願!2nd
編集というのは文系畑に思われがちだけど、同時にかなり体力勝負の職場でもある。
編集部に泊まり込みも結構あるし、作家はたいていが24時間営業な上、時間関係なく連絡してくるし
(少女小説家の大家である白鳥先生のように、一日四時間、決められた時間しか働きませんという人は稀だ)
体力がないと続けられない仕事だと思う。
そして穂積さんも、24時間経営のジムに通って日ごろから体を鍛えるようにしていて、実は着やせするタイプだった。
だから、一見穂積さんって見た目草食の眼鏡男子だし、穏やかだし、物腰柔らかだけど、
脱いだらいい体で――
なんだかドキドキするんだよね……。
「穂積さん……」
穂積さんの背中に腕を回す。
盛り上がった筋肉を撫でると、穂積さんが軽く息を漏らし、私を抱きしめる腕に力を込める。
応えるように、彼の体が私の心をノックする。